~博物館・美術館見学ノート~

『ラファエル前派の軌跡展』
三菱一号館美術館

三菱一号館美術館で開催中の『ラファエル前派の軌跡展』に行ってきました。

仕事、研究、勉強……と毎日慌ただしくしていて一日ゆっくり、という訳にはいかないのですが、博物館学の復習も兼ねて、週に一度は美術館や展示会に立ち寄っています

先日は三菱一号館美術館へ

イギリス人建築家ジョサイア・コンドルにより建てられた三菱一号館を復元

 

三菱一号館は企業博物館です(運営:三菱地所株式会社)

現在、美術批評家であり自身も素描を残しているジョン・ラスキンの生誕200年を記念した展覧会が開催されています

ラファエル前派のはじまりから、アーツ・アンド・クラフツ運動までの変遷を紹介しています  

油彩画や水彩画、素描、ステンドグラス、タペストリ、家具など約150点を展示

一部の展示室では、写真撮影が許可されています


開催期間:2019年3月14日(木)~6月9日(日)

https://mimt.jp/ppr/

ラファエル前派(Pre-Raphaelite Brotherhood)とは、1848年にロンドンで結成された美術家・批評家から成るグループ

英国の美術アカデミーが当時行っていた教育方針への反発から、ルネサンスよりさらに前(=ラファエロ以前)の芸術を目指すこととし、分かりやすく誠実な表現を大切にし、作風には写実的な表現や細部へのこだわりなどの特徴があります  

チラシや図録の表紙にもなっているダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの『魔性のヴィーナス』は、写真撮影可の展示室にありました

(1864年から1868年の間、ラッセル=コーツ美術館)

 図録は必ず買って、その日のうちに読むようにしています

 

特に気に入った作品がポストカードになっていると、机に置いた小さな額に飾るため、と、ちょっと誰かに送るときのために買っています

今回は、ラファエル前派のグループと交流のあったフリデリック・レイトンの「母と子(サクランボ)」

 (1864年から1865年の間、ブラック=バーン美術館)

右側の背景に金箔と漆の施された鶴の屏風がありますが、英国における日本の装飾芸術の流行は、1862年のロンドン万博で初代駐日総領事ラザフォード・オールコックのコレクションが展示されたことに起源があるそうです。 (図録『ラファエル前派の軌跡』p91より)  

美術館巡りは、併設されているミュージアムショップやミュージアムカフェも楽しみのひとつですが、三菱一号館美術館には、「Store 1894」と「Café 1894」があります

  「Store 1894」

 明治時代には銀行営業室として利用されていた空間を復元した「Café 1894」


 天井が高く、クラシックな雰囲気のあるカフェレストランです

 おすすめは、Café 1894風 ジヴェルニーの庭園サラダとナポリタン

 イチゴも乗った目にも美味しい彩のキレイなサラダですよ

~覚え書き~

☆三菱一号館は、東京都千代田区丸の内にある企業博物館(運営:三菱地所株式会社)

☆三菱一号館は、明治時代に建設されたイギリス人建築家ジョサイア・コンドルによるオフィスビルを2009年に復元  

☆ジョン・ラスキンは、美術批評家であり自身も素描を残している。ヴィクトリア女王と同じ1819年生まれで生誕200年。「全ての人は満ち足りた生活を送るべき」と考え、自分らしく美しく生きるために、自然を観察することやそのものにしかない特徴に注目することを重視した

☆ラファエル前派は、1848年にロンドンで結成された美術家・批評家から成るグループ。分かりやすく誠実な表現を大切にし、作風には写実的な表現や細部へのこだわりなどの特徴がある

☆今回、特に素敵だなと思った作品はラファエル前派のグループと交流のあったフリデリック・レイトンの「母と子(サクランボ)」。英国における日本の装飾芸術の流行も見られる